恋唄100題
002:飴色の吐息
「お前・・・食べすぎなんじゃないか?」
「いいんですよ。」
本格的に冬の寒さが訪れた11月末。安曇康秀は開口一番に言った。
八咫の一件以降、中間テストに体育祭や文化祭とバタバタとしていたが、後は二週間後の期末テストのみで、やっとデートらしきデートが出来るというのにこのありさま。だ。
「でも、なぁ・・・」
「だって、美味しいですよミルク飴?」
「誰も、マズイとは言っていない。」
ぶーぶーと文句を言いながら、きらはまた一つ飴を口に入れた。
元々、白石に無理やり美味しいからと渡された飴だったが、やはり美味しくても何個も食べようとは思えずに、きらにあげたのだが・・・
「あまぁい。」
予想外にはまったらしく、きらは一向に手ばなさない。
美味しいと買い足す始末だ。
現に二人でたまたまコンビニに寄った時に、買っている所を見たし、買ってやった事もある。
「・・・はいはい。」
まぁ、幸せそうな顔を見るのは嬉しいから良いんだが。
後で後悔するのはきらだ。間違いなく。
九艘は病気をしないし長命で人とは言えないが、人としての三大欲求は持ってはいる。
しかし、ほぼ不眠であったと言う貴人さんの例を考えると、試した事は無いが数十年食べなくても餓死する事もないと予想出来る。
頭に【よっぽど】と言う言葉がつかない限り変化の無い九艘。
体型も多少の個性は出るモノの、太る事もやせる事もほぼない。
「冬太りと言う言葉を知っているか?」
ビクッときらの肩が動いたのが分かった。
どうも、気にしていたらしい。まぁ、そうだろうな。
分かってて口にする自分も悪いが、それでもやめないきらはどうなのか・・・
「意地悪です。先輩は意地悪です。」
何時もなら反撃してくるのだが、これはまた・・・。
「注意が遅かったか。」
きらが戯れの様にポコポコと叩く様は可愛いとしか言えない。
「いた、痛いってきぃら。」
「だって・・・だっ」
だってに続く言葉が、「先輩が・・・くれた飴、だから・・・」など聞いてしまえば、愛しい気持が止められない。
「全く・・・」
安曇は叩いてくるきらの両手首を軽く掴むと、その勢いのまま軽く口づけた。
「・・・お前、唇までミルク味・・・」
「ばっばかぁぁぁぁ」
もちろん、子どもにする様な戯れのキスで、味がどうとか分かるはずもない。
「口がさびしいだけなら言え?いくらでも付き合ってやるぞ。」
「せ、先輩なんて・・・」
せっかくのデートだと言うのに、きらは恥ずかしさのあまりに走り出してしまう。
少しからかいすぎたかと、反省する半面、自分が彼女にこんな事をしてしまう人間だとは思いもしなかったと苦笑してしまった。
だってそうだろ?誰も気に留めていないだろうとは思っているが、道端で、だ。
それほど自分は彼女が好き。
それに改めて気付いて笑ってしまう。
「後先考えないのは考えようだな。」
自分も彼女も・・・似たり寄ったりだ。
さぁ、どうやって愛しの人を探そうか・・・
初々しい恋人達の吐息は甘く。
≪安曇康秀×柏木きら≫
くさい・・・・・・・・
臭すぎる・・・甘いよぉぉぉ
いや、私の脳みそがおかしいんだ。
このお題は甘いのばかりで痒くなってしまいながら頑張ってます。
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