恋唄100題
020:朝も昼も夜も、君だけを想ってる
たまたま通った公園で、ヴァイオリンを弾く君を見つけた。
優しく、幸せな音を奏でる人だった。
その日から君の音が離れない。
君のヴァイオリンをみつめる表情が忘れられない。
だから、君を追いかけて此処まで来たんだ。
「あ、加地君。」
「どうしたの?日野さん」
同じ学校に転校してきたけれど、クラスまで一緒になれるとは思わなかった。
もちろん、こうやって廊下で呼びとめられる日が来るとは思わなかった。
ただ近くで君の音を聞きたかっただけだから
でもね、君と会って、君と話しをして、もっと君を好きになったんだ。
「あのね・・・次のアンサンブルで協力して欲しいんだけど・・・」
「えっ」
息を切らして加地のもとへ駆け寄る日野。
日野は振り返った加地に、次のアンサンブルで弾く曲の楽譜を差し出した。
加地は半強制的に楽譜を受け取ると曲名を確認する。
「お願い。次の曲ヴィオラ弾ける人いないの」
自分とはまったく違う表情でヴァイオリンを見つめる君。
嬉しそうに、楽しそうに、幸せそうに
もう僕にはそんな表情でヴァイオリンを見ることが出来ない。
だから、そんな彼女だから憧れた。
「・・・えーっと・・・」
僕はヴァイオリンを止めてヴィオラに転向した。
元々、ヴィオラが好きだったけれど、ヴァイオリンもやっぱり好きで
結局両方とも理想の音が出ないでいる。
弦楽器とは相性が悪いんじゃないかとも思うぐらいに・・・
そんな僕が日野さんとアンサンブル?
「ね、一緒に練習するから」
「・・・」
君はずるいね。
僕が断れないって知ってて言ってる?
「もちろん、一緒に演奏しよう。」
「ありがとう!助かるよ。」
日野さん僕はね、君と一緒に過ごして僕は少しだけ強くなれたんだよ。
昔よりもっと音楽と向き合えるようになったんだ。
どんなに下手でも立ち向かって行こうって思うぐらいにね。
君と一緒ならどんな曲でも理想の音が出せるような気がするから・・・
「そんな事ないよ。楽しみにしてる。」
「私もだよ。」
君の音が好き。
君の笑顔が好き。
君が・・・好き。
「あ、もう行かないと・・・ごめんね用件だけで」
「ね、日野さん。」
また走ろうとする日野を加地は呼びとめる。
「朝も昼も夜も、君の事を想ってるよ。」
いついつまでも、君の事を・・・
「///・・・もう、加地くんったら・・・」
「本当だよ。」
一瞬にして真っ赤になる日野は照れて振り返らずに走っていく、加地は少し悪戯っ子のような笑顔で彼女を見送った。
「練習時間とか・・・後でメールするから」
少し離れたところで日野は振り返り、加地に笑顔を向けて言うと、また走って行った。
「・・・ホント、君は・・・」
なんて愛おしいんだろう。
≪加地葵×日野香穂子≫
えーもう、このお題に阿弥陀が来た時は運命かと思いました←
だって、こんなにぴったりとあてはまるキャラとお題って・・・
滅多にないっしょ。
しかし・・・私はどれだけ加地君を病的だと感じているのだろう(遠い目)
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