恋唄100題

093:あなたは白さだけ残して去ってゆく

『迎えに来るから。』
 何時まで待てばいいのだろうか
 そんな不安持たないと思っていた。
 ルカの言葉を信じているから
 でも・・・

  *  *  *

 第二次大陸大戦は回避されたとはいえ、未だ帝国は革命の渦の中にある。
 ロビュ小隊もまた、毎日訓練に勤しんでいた。
 変わったことと言えば、ルカ・フォルゴーレ少尉が居ないと言うことだろうか。
「エーリカちゃん、おーはーよ。」
「・・・」
「なぁオズウェル、エリカちゃんどうしたの?」
「・・・はぁ」
 今日もいつも通りに、ドックに顔を出したコリンがエリカに声をかけたが反応は皆無であった。
 自分より先にドックに来ていたオズウェルに理由を聞いてみるが、知っている様子はなかった。
 むしろ、聞いてくれるなと行った様子である。
「・・・」
 さすがにこの状況はまずい。
 いくら腕が良いと言ってもこんな様子のエリカと、怒るのも面倒と言ったオズウェルにオオルリの整備を任せるのは怖い。
「いいかげんにせんかぁー!!!」
「親方ぁー・・・」
 コリンがどうしたもんかと悩んでいると、ついに親方の喝が入った。
「はっはい。」
 さすがのエリカも驚きつつ返事を返した。
「嬢ちゃんは頭冷やしてこい。オズウェルは作業をちゃちゃか進めろ。」
 オズウェルは返事を返すと直ぐに作業に戻り、エリカは休憩所の方へと出て行った。
 その様子を見ながら、心配しつつも明るい表情でコリンは親方の元へ向かった。
「大丈夫ですかね・・・」
「じゃねーだろ、行ってやれ。」
 一言発したとたんコリンは親方に出入り口を指さされた。
「え、俺が」
「お前しかいねーだろ。」
 そりゃー今手の空いているモノと言えば、整備待ちの俺ぐらいだ・・・
 来月にはルカの代わりのパイロットが入ってくる予定ではあるが、今のパイロットは俺と副司令、乗れるだけならオズウェルぐらいで・・・
 つまり、俺はB班と合同訓練以外はほぼ自由にメニューを決めて訓練している。
 現に、整備の様子を窺った後、時間までウォーミングアップかねてランニング予定だったから時間にも問題ない。
「俺が行ったって無理でしょう。ルカじゃないんだから」
「坊主がいねーから、コリンがフォロー入れてこい。」
「え、ルカの為にぃ?」
 エリカの元気がない理由は大体予想できる・・・いや、確実にルカ絡みだ。
 それを俺が慰めるのは、いくら俺でもきつい・・・。
 むしろ、むかつく。(ルカに対して。)
「お嬢ちゃんの為にだ。」
「・・・へーい。」
 まぁ、エリカちゃんには笑顔でいてほしいしな。
 仕方がないか。

  *  *  *

「はぁー」
「大きなため息。エリカちゃんらしくなーい。」
 休憩所で空を見上げているエリカにコリンはカフェオレを差し入れた。
「コリン・・・」
 エリカは素直に受け取るとお礼を言った。
「・・・泣いてるかと思った。」
「泣かないわよ。」
 コリンは自分もカフェオレを飲みながらエリカの正面のベンチに座る。
「でもね、なんか・・・情けなくって。」
 本当にばかみたい。
 信じられると思っていたのに、時間が経てばたつほど心細くなる。
 抱きしめてくれた温かさも、囁いてくれた優しい声も・・・
 夢だったように思えてきてしまう。
「そ、」
 コリンはただ訊き続けた。
「信じるって難しいね。」
 エリカも何も言わないコリンに素直に言葉を紡ぐ。
 空にあった視線はだんだんと下がり、終後には目線を地面へとうつした。
「約束さえあれば、こんな気持ちにはならないと思っていたのに、怖くって」
 あの眩しいぐらいに白く輝く笑顔を残して、ルカは王宮に戻った。
 あなたは白さだけ残して去って行った。
「でも、信じたいと、信じ続けたいって思うんだろう?」
 エリカは急に声を発したコリンを見て、そして、うなずいた。
「ルカは・・・あんな生真面目な奴だ。大丈夫だ。」
 何に対しての『大丈夫』なのか分からなかったが、その一言で、何もかも『大丈夫』な気がした。
「それでも信じられなくなりそうだったら、それ。指にはめたら?」
 コリンが言いながら指さしたところ、エリカの首元にはチェーンにはまったルカから贈られた指輪が光っていた。
「周りは二人の仲の良さを見せつけられちゃってるよ。」
 言い終わると、コリンはそそくさと立ち上がり、最後に早く仕事に戻る様エリカに言ってその場を去った。
 コリンが去った後、エリカは指輪を薬指にはめて空に掲げる。
「そうだね、大丈夫だ。」
 意外にこんな近くにあったんだ。
 約束のような不確かなものではなく、指輪と言った形として大丈夫だと言えるモノが。
 第二次大陸大戦をも回避させたルカの事だ、そそくさと王宮をまとめあげ地位を確立して迎えに来てくれる。
 満面の笑みで。

 ≪ルカ・フォルゴーレ×エリカ・アレーニア≫
  ルカエリなのにルカが出てこないと言う・・・
  いや、ちゃんとルカ好きですよ。
  ED後は傍に居ないし、迎えに来てからじゃ・・・お題に合わないんだよこんちきしょー(笑)
  お題に合わせてBadEnd使おうにもルカルートは『ルカと共に堕ちていく・・・』
     残されない・・・エリカも堕ちてしまわれる!!
  なので・・・幸せかつお題に合わせたらこんな感じに(遠い目)